地層はどのようにできる?
がけや道路の切り通しなどでよく見る地層。ふだん地層を見てもあまり気にならないでしょうか?景色の一部くらいのイメージしかわかないかもしれませんが、地層を観察することで大昔のことがいろいろ分かるんです!
地層は一朝一夕にできるわけではなく、人類の歴史よりずーっと長い時間をかけてつくられます。ですから、私たちヒトが生まれる前の地球の歴史の映し鏡が地層といえます。観察すれば、地層は壮大な地球の歴史を語り出すのです。
まずは地層の基本を学んで、今まで見過ごしてた地層を少し観察してみると新たな発見があるかもしれませんね。それでは本題に入っていきましょう。
地層はいろいろなものが積み重なることでできるので、「たい積」のはたらきがさかんなところでつくられます。つまり、流水で運ばれたものが海底にたい積するので、地層は主に海底でつくられます。
また、流水はれき・砂・泥などを海に運んできますが、れきは比較的重いのでそれほど流されず、岸に近いところにたい積しやすいです。逆に泥は軽いので、より沖のほうまで流され、たい積します。

こうやってたい積が長〜い時間続き、地層がつくられます。この地層が何らかの変動で地上に露出したものを、今の私たちが見るということになります。
そして観察した地層は、「柱状図(ちゅうじょうず)」で表します。また、地層のできかたを考えると、「下ほど古い地層」であることが分かります。基本的にこのように考えてかまいませんが、必ず下が古いわけではないことに注意しておいてください。
地層に含まれる化石から分かること
また、地層を調べると化石を見つけられることがあります。化石は、含まれていた地層がたい積した時代やそのときの環境を知るためにとても役立ちます。化石といってもいろいろあり、生物の死がいやあしあと、その当時の生物の住みかなどがあります。
地層がたい積した時代を知るのに役立つ化石を「示準化石(しじゅんかせき)」といい、そのときの環境を知ることのできる化石を「示相化石(しそうかせき)」といいます。
示準化石は下のような例があります。
フズリナ、サンヨウチュウ→古生代
アンモナイト、恐竜→中生代
ナウマンゾウ、ビカリア→新生代
また、示相化石の例は次のようなものがあります。
アサリ→浅い海
シジミ→河口、または淡水の湖
サンゴ→暖かくきれいな浅い海
マンモス→寒い気候
以上の例くらいは覚えておきましょう。

「地層時代」とは?
前に新生代、中生代、古生代、先カンブリア時代と書きましたが、江戸時代、奈良時代などとは違う時代区分ですよね。これはどんな時代区分なのでしょう?
地層や化石として発見された生物を基にして区分された人類史以前の時代を「地層時代」といいます。それは、人類の歴史と比べるととてつもなく長い期間となります。
時代の区分は示準化石をもとに大きくは4つに区分されます。
先カンブリア時代は約40億年の長さがあり、最初の生物が海で誕生し、光合成によって大気中の酸素がつくられたのもこの時代です。
古生代になると、せきつい動物である魚類も出現し、しだいに陸上へ上がる生物も増えていきました。さらに中生代では、海でアンモナイト類、陸で恐竜類、裸子植物が繁栄しました。われら人類のご先祖であるほ乳類もこの時代に現れます。
新生代になると、ほ乳類や被子植物が繁栄し、約400万年前に人類が誕生したと考えられています。
このように時代ごとに繁栄した生物が変わるのは、時代の境目で地球規模の大きな気候変動が起きたためだと思われます。