地層を調べてみよう

これまで火成岩や化石の知識、地層のできかたなどを学んできました。ここでは、この知識を総動員して地層をどのように調べるのか、ということを確認していきましょう。仮の例を用いて説明していきます。

地層を調べるとき、最初にやることはもちろん実際の土地に行って地層を観察することです。仮に下のような結果が得られたとしましょう。左の図は等高線が描かれた地図に調査地点が記されたもので、右の図は各調査地点での地層を柱状図で表したものです。なお、地層を見て観察できない場合は、「ボーリング調査」を行い、地面を掘ってどんな地層かを調べていきます。

地層調査の結果

ここで各調査地点での地層のつながりを考えたいのですが、それには「凝灰岩の層」をみていけばよいです。凝灰岩は、火山灰が固まった岩なので、かつて火山が噴火して灰が降ったといえます。灰は短期間で広範囲に積もるので、凝灰岩の層は地層のつながりを考えやすい層で、「かぎ層」とも言われています。

それではまず、南北方向についてみていきましょう。これは、AとBを比べるとハッキリします。A、Bはともに同じ標高、地層であることから、南北方向に地層の傾きはないと判断できます。一方、東西方向はAとCを比べればよいです。Aより50m低いところがCですが、地層はA、Cともに同じです。このことから、西から東へ地層が下がっていると考えられます。

また、凝灰岩より下の層には下から順に、泥岩→砂岩→れき岩、と積もっているので、海底がだんだん上昇してきたということも分かります。

さらに、れき岩の層でサンゴの化石がみつかったということは、この層ができた時代にこのあたりが、暖かくきれいな海であったこともうかがえますね。

他の地点の地層を考える

調査はA、B、C地点で行いましたが、それでは図のD地点の地層はどうなっているか推測してみましょう。

この地層は、南北方向は傾きなし、また東へ下がっている、ということなので、東西方向の標高と出てきた地層を重ね合わせてみたのが下の図です。

このように地層のつながりを考えることもできるのですよ。

地層の推測

こうしてみると、地層からいろいろなことが分かるんですね。太古の時代に思いを馳せることができると考えれば、地層の調査、研究は壮大なロマンを感じさせてくれるんだなぁ、なんて感じるのは私だけでしょうか。

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