「V字谷」について

地震などで大地が大きく変動すると、土地が隆起したり沈降したりします。さらに川のはたらきが加わることで、さまざまな地形が作り出されるのです。逆に、ある特徴的な地形があるということは、そこでどんな変化があったのかが推測できるともいえます。

まずは山で見られる地形をご紹介します。「V字谷(ぶいじこく)」です。その名の通り、断面がアルファベットのVの字の形をした谷です。

このような変化についてこれから詳しく学んでいきましょう。

はじめに大地の変動が起き、山脈がつくられると、そこに降った雨水などは海へと流れます。流れの勢いがあるので、おもに侵食作用がはたらき、切だった谷がつくられます。これがV字谷です。

V字谷(ぶいじこく)

「扇状地」について

川が山間部から平野部に出るところでは、こう配が急にゆるやかになるため運ぱんの力が急に弱まり、運ばれたものがそこにたい積します。

山のふもとに土砂をどばーっと流し込むイメージです。すると平野部に土砂が広がりますよね。広がった形が扇(おうぎ)形をしているので「扇状地(せんじょうち)」とよばれています。

急にどばーっと土砂が来て積もるので、れきも泥も入り乱れて積もります。なので、水はけがよく、流水は地下を流れることが多いです。また、地下を流れた水が扇状地の末端で泉となって地上に湧き出して、再び川に戻ります。

扇状地(せんじょうち)

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「河岸段丘」について

また、土地の隆起、川のたい積作用と侵食作用によって「河岸段丘(かがんだんきゅう)」という川岸が段々になっている地形が作り出されます。

河岸段丘(かがんだんきゅう)

この地形は、次のように作られます。まず比較的流れのゆるやかなところでは、河床(かしょう:川底のこと)に運ぱんされたものの一部がたい積します。ところが、土地が隆起し、流れが急になると、こんどは河床は侵食作用をうけることになり、新たな河床が一段下にできあがります。そして、取り残されたかつての河床が段々を作ってこのような地形となるのです。

河岸段丘のできかた

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「三日月湖」について

平野部での流水は流れがゆるやかなので、進む方向を変えやすく、「蛇行(だこう)」します。

この蛇行が極端に進むと、「三日月湖(みかづきこ)」ができます。

三日月湖(みかづきこ)

確かに三日月の形をした湖になってますね。上の写真右には蛇行している川もみえます。このような三日月湖はどうしてできるのでしょうか?

まず蛇行した川から話を始めます。最初はゆるやかだった蛇行は時間がたつにつれて、だんだんと進行していきます。流水が曲がるとき、外側の流水が内側のそれより速く、よって外側は侵食、内側ではたい積、が進むからです。そして蛇行が極端になると、今度はまっすぐ流れようとする流水が、蛇行しない新たな流路をつくり、曲がった部分の流れは取り残されます。こうして三日月湖ができあがるのです。

三日月湖のできかた

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